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ロルバーン ショップ&ギャラリー第12回企画 『HIDEAKI HAMADA × Rollbahn Diary』

2021年3月~2022年4月まで使える2021年版3月始まりのスプリングダイアリーに、国内外の広告や雑誌で活躍する、写真家の濱田英明(はまだ ひであき)氏とコラボレーションしたロルバーン ダイアリーが登場しました。表紙に配された作品は、2019年に出版された写真集『DISTANT DRUMS』(私家版)に掲載されたものを中心に、デルフォニックスがセレクト。心地よい風が通り抜けていくような、やわらかな空気感をまとった写真が小さな非日常を感じさせてくれます。思うようには出かけられない今、ふらりと旅に出かけたような気分を運んでくれるダイアリーに仕上げました。
また、発売を記念して「DELFONICS 渋谷」に併設するショップインショップ「ロルバーン ショップ&ギャラリー」では、ロルバーン ダイアリーの販売とともに、濱⽥⽒の作品をショーケースにディスプレイした「HIDEAKI HAMADA × Rollbahn Diary」のコーナーを展開しています。 ぜひ、インタビューと併せてお楽しみください。

カルチャーの影響、写真を通して伝えたい想い

― 濱田さんのルーツ、それが写真にどう繋がっているのか?伺いたいと思います。まず、写真を始めたきっかけは何だったのですか?

昔から音楽が好きで、写真とどっちが好きか? と聞かれたら、今でも音楽のほうなんです(笑)。大学から社会人になった頃はバンド活動もやっていて、ただ、25歳ぐらいの時に、音楽だけで生活していくのは難しいと気づいて。その時はたまたまデザイン関係の職場で働いていたんですが、仕事で写真に触れる機会がだんだんと増えたんです。そのあと子供が生まれて趣味で撮っていた成長の記録をインターネットで発表していたら、いつの間にかたくさん見ていただけるようになったんです。意外にも自分が思っている以上に反響があったのと、デザインの仕事に疲れてしまったのもあって、何年かそういう生活をつづけたあと結局、写真の仕事をするようになりました。35歳のときです。

― 濱田さんのSNSを拝見した中で、印象的だったのが22歳の時の部屋の写真です。映画のチラシを壁に貼ったり、レコードやギターがたくさんあるのが印象的でした。映画や音楽などのカルチャーの影響があるのでは?と思ったのですが。

今、写真のお仕事を始めて9年ぐらいで、学生の頃から吸収してきたカルチャーが自分の写真に与えた影響はとても大きいなと、ますます感じています。例えば、インスタグラムが始まった頃はまだ正方形の写真しかアップできなかったんですよね。今は、長方形にもできますが、僕はいまだに正方形にこだわっているんです。写真をアップするときに正方形にトリミングするというのが楽しくて、それはレコードやCDのジャケットをずっと見て憧れた経験が大きく影響していると思います。

― 写真を撮る時に意識されている事はありますか? また、写真を通してどんな事を伝えたいですか?

ほとんどの人がそうだと思いますが、ふつうは興味のあるものや好きなものを撮るんだと思います。僕もパッと目に入ってきて、心動いたものを撮ってきました。じゃあ、なんで撮るんだろうな、というのがここ数年でようやく説明できるようになってきました。例えば「木洩れ陽」という言葉は日本語は、外国にいくと一言で表せられなかったりするんですよね。そうやって言葉にできないことってきっとまだたくさんあるんですよね。でも写真ならそれができるんです。言葉のかわりに一枚の写真にすることで伝えられたりもする。それで、世界の中でまだ言語化できない何かを写真に託して感じてもらうことが撮る者の役目なんじゃないかと気づいたんです。現象や感情を表現に翻訳して伝えていくというのは写真だけでなくて、絵や詩も音楽なんかも同じだと思うんですよね。たまたま僕が自然にできるのが写真だったんです。

ロルバーン ショップ&ギャラリー第12回企画

SNSの発信、写真を見る方にとっての「体験」になること

― ツイッターやインスタグラムなどSNSのフォロワーも多い濱田さんですが。作品や、パーソナルな気持ちなどを積極的に発信されていますが、濱田さんにとってSNSとはどんなものなのでしょうか?

僕の写真家としての出自はインターネットにあるんですよね。いまでこそ普通になってきたと思いますが、僕がお仕事を始めた2012年頃はまだ、ほとんどの人が専門学校に通ったり、スタジオで修行をしたりしてからフォトグラファーになるというのが主流でした。昔は一般の方から感想をダイレクトに聞ける方法があまりなかったと思うんですよね。でも、当時、インターネットを通して、編集者やデザイナーのような業界の人ではなく、一般の方に写真を「いいですね」と言ってもらえたのは大きかったですね。いただいたコメントのなかに考えてもいなかったようなこともあって新鮮でした。それなら、そのいいと言ってくれる部分をもっと研ぎ澄まそう、と思って今も続けています。そういうインターネットやSNSから得られる感覚は大切にしていますね。

それと、写真は撮って見せて終わり、ではないと思うんです。それだけで終わらせるんじゃなく見ていただける方にとって「体験」になることまでを考えたいんです。例えば、レストランで食事に3,000円使う時ってありますよね? 同じ頻度で写真集に3,000円使うか? というと、そういう人はあまり多くないと思うんです。もしかしたら1年に1回買ったら良い方かもしれない。でも、写真集で写真を見るというのは、時にはレストランでご飯を食べるのと同じかそれ以上の体験があるかもしれないんです。その差って一体何なんだろうと考えたんです。僕ら写真家はそれ以上の価値があると感じてもらえるような道筋を用意できているか? と思うことがあって、その体験への導線を伝える方法のひとつとしてSNSは有効だと思っているんです。語りすぎるのは無粋という雰囲気があると思うんですが、僕は写真の背景や文脈、自分の取り組みを言葉で伝えていくのは大切だと思っています。

― 濱田さんの作品集『DISTANT DRUMS』は、装丁も凝られていて、持っていたいという印象を受けました。

『DISTANT DRUMS』は誰にもあれこれ言われずに好きなこと思いっきりやりたかったので自費出版でつくりました。赤と緑で2パターンの装丁をつくったんですが、そうすることで買うか買わないかで悩むのを飛び越えて、気づいたら「どっちの色にしようかな?」と考え始めてくれるんですよね。あと「緑は自分用に、赤は大切な人に贈ろう」と思ってくれたり。そんなふうに「自らが考え始める」ような仕組みをよく考えていました。写真集は高いし大きいし買いづらいものだと思うんです。でも本棚に並べた時に背表紙がと目が合ったり、飾っておきたい気分になったり、写真集があることで生活がちょっぴり豊になるような、そんなことを意識して作りました。単に写真を見て! と押し付けるのではなくて、写真を見たいな、と自然に思ってもらえるような工夫はこちら側がやらないといけないと思うんですよね。

ロルバーン ショップ&ギャラリー第11回企画

ロルバーンの表紙、濱田さんが今考えていること

― 今回、濱田さんの作品がロルバーン ダイアリーの表紙になって発売されますが、どんなお気持ちですか?

写真が人の生活にどれだけ寄り添えるのか? どうすれば身近なものなるか? というのにすごく興味があるんです。日本では写真を買ったり飾ったりするという習慣があまりないんですよね。飾るスペースがないとか、単に眺めるだけのものと思っているとか、あと金銭的な理由もあると思います。でも欧米だと、写真を部屋に飾るというような文化が当たり前のようにあるんですよね。写真が生活により身近にあるというか。では、自分たち写真家はそうなるためにはどうアプローチすればいいのか? そういうことを考えるのが好きなんです。だからこそ、今回、毎日手元にあるような手帳に自分の写真が使われたのはとても嬉しいですね。

― 濱田さんが今考えていることや、今後の予定を聞かせてください。

実は、伝えたり感じてもらうための表現の方法は何でもよくて、写真でなくてもいいんです。もともとは音楽が大好きだったのでそれがやりたかったんですが、それよりも写真が向いているということに気づいて。だからなのか「自分にはこれしかない」と思い込むのはちょっと苦手なんです。それは自分を縛るつける呪いもなってしまうので。そういう思い込みから解き放たれたいという気持ちがあるんですよね。

今の時代、それにコロナ禍にもなって、より生きづらさとか働きづらさを感じることが増えたと思います。何かに拘りすぎて自分を潰してしまわないような働き方とか生き方ができればいいなと思うんです。写真のお仕事なら、産業の中心地である東京に行って、学校に通って、師匠について修行して、コネクションを掴んでようやく商業フォトグラファーになるのが王道のスタイルでした。でも、ほんとうにそうすることでしかできないのか? と言ったら「それだけじゃない」ということを自分の活動を通して伝えて行けたらいいなと思っています。お仕事を始めたときからずっと大阪に住んでいるのもそれが理由です。東京でなくてもたくさんの人に見てもらえるような仕事はできるし、やりたいことができる環境を自分でつくったり、トライすることを諦めないでいたいです。もし悩んでいる人がいたら立ち向かっていける勇気を持ってもらえたらいいなと思います。

プロフィール
濱田英明(はまだひであき)
写真家。1977年、兵庫県淡路島生まれ。2012年、35歳でデザイナーからフォトグラファーに転身。同年12月、写真集『Haru and Mina』を台湾で出版。2019年、写真集『DISTANT DRUMS』(私家版)を出版。

HIDEAKI HAMADA × Rollbahn Diary

開催日  2021/2/16(火)〜2021/3/15 (月)
場所   デルフォニックス 渋谷
     東京都渋谷区宇田川町15番1号 渋谷パルコ4F
問合せ  デルフォニックス 渋谷(03-6809-0721)
営業時間 11:00-20:00 ※(最終日は15:00まで )
※新型コロナウイルス感染拡大による対応のため、
営業時間については変更になる場合がございます。
※商品は数に限りがございます。恐れ入りますが、完売の際は何卒ご了承ください。

Rollbahn +とは?

デルフォニックス 渋谷に内設する「ロルバーン ショップ&ギャラリー」と、ロルバーンとの新しい出会いを提供する「ロルバーンエキスポ」の特設サイトが連動。店頭では、さまざまな文化を切り取ったスモールエキシビションを。特設サイトでは、展示内容を小さな記事にしてアーカイブしていきます。

2021.2.16

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